解体工事はどう進む?何をする?全体的な流れをおさえよう

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「解体工事を依頼する」という経験は、一般的には人生でそう何度もあることではないため、初めてでわからないことや戸惑うことがたくさん出てきます。

今回は、解体工事の全体的な流れがつかめるように、1からそのプロセスを見ていきましょう。施主が知っておくべき申請や手続きについてもきちんと押さえておきましょうね。

解体工事の全体的な流れ

業者探し~解体工事前

解体業者を探す

まずは解体工事を依頼する業者の選定から始めます。インターネットで業者のホームページから探す・口コミを参考にするなどの方法で、複数社候補に挙げましょう。知人の伝手があるという方は、そういったものも活用できるとなお良いですね。

候補を挙げるのは、一社だけではなく複数社である点がポイントです。他と比較しながら絞っていくという選定作業が重要なのです。

見積依頼をする

数社候補を挙げたら、それぞれに見積をお願いします。ただし口頭で情報を伝えたうえでの金額提示ではなく、きちんと現地調査を行ってもらったうえでの見積をしてもらうようにしましょう。正確で妥当な金額を知ったうえで、最終的な選定を行っていくためです。

現地調査・見積確認

きちんとした解体業者であれば、正確な見積を出すために、現地調査からしっかり行ってくれます。建物の構造・状態や立地・周辺環境はもちろん、重機の搬入経路などまで調査してくれるでしょう。

工事内容に対する施主の希望もきちんとヒアリングしたうえで、どこまでの範囲で解体するのか、地中埋設物はあるか、整地後の希望などまで確認します。

しっかりと調査に基づいた見積を出してもらえたら、複数の業者の見積を比較検討しましょう。また、現地調査は業者のスタッフと顔を合わせるいい機会にもなります。対応や人柄もよく見ておきたいですね。

業者決定・契約

複数業者の見積の比較検討から、最終的に工事を依頼する業者を絞り込むのですが、このとき単純に「安価かどうか」という点だけで決めてはいけません。

たとえば、見積書の書き方ひとつとっても、ざっくりとし過ぎていて何にいくらかかるのかがよくわからないものもあれば、ひとつひとつの項目を丁寧に説明しているものもあります。後者のような見積書を出せる業者の方が、全体的に丁寧な仕事をしてくれる傾向があるので、「安いからここ」と安易な決め方をして後悔しないようにしたいところです。

総合的に金額や業者の対応・人柄などを見極め、最終的に依頼する解体業者を決めたら、契約書を取り交わします。

このとき、不明な点や細かい点は口頭でやり取りするのではなく、必ず書面を交わすようにすることで、のちのちのトラブルを回避できます。

近隣挨拶

業者を決めて契約し、スケジュールなどの詳しい点を細かく打合せしたら、工事前の事前準備に取り掛かりましょう。

まずは近隣挨拶です。これは解体工事業者のみで行うこともありますが、できれば施主も一緒に行っておいた方が良いでしょう。

解体工事は、騒音や振動・粉じんの飛散など近隣に迷惑がかかる要素や危険をたくさん抱えています。ご近所さんには工事の内容やスケジュールを知らせ、迷惑をかける旨を先に挨拶しておくことで、できるだけ苦情やトラブルを回避できるよう対策しておきます。

インフラ停止

家屋を解体してしまうということは、その前にあらかじめライフラインを停止したり撤去したりしておくことも必要になります。電気やガス、インターネットなどの業者に連絡し、指示通りに手続きを行いましょう。

水道に関してだけは、工事中も使用することが多いため、一般的には止めずにおきます。事前に業者に確認しておいてください。

各種申請

解体工事前に、いくつか申請しておく手続きがあります。基本的には解体業者が行うものですが、施主としても滞りなく行われているのかを確認するために、知識としてきちんと知っておきましょう。

主な届け出には、

・建設リサイクル法 解体工事前届出(都道府県)

・騒音・振動届書(市町村)

・道路使用許可申請(管轄の警察署)

などがあります。

残置物の撤去

解体して建物自体がなくなってしまうので、当然建物の中には何も残しておけません。今後も必要な家具や家電などはもちろんあらかじめ運び出しておきますが、不用品や廃棄物もきちんとすべて撤去しておきます。

このように、業者との契約から工事開始前までに施主が行うべきことは、なかなかたくさんあるものです。

解体工事を決めたら、余裕をもった計画で準備を進めていくようにしましょう。

解体工事中

足場・養生の設置

いよいよ解体工事の開始です。

高所の作業のために足場を組み立てたあと、粉じんの飛散を抑えたり、騒音が少しでも外に漏れないようにしたりするため、建物全体をしっかり養生シートで覆います。

建物内部の解体・撤去

解体・撤去は、まず内部と建物周囲から行っていきます。

周囲にあるものとは、たとえば隣家との境にあるブロック塀や、庭木などを指します。ブロック塀などは特に、下手な撤去のしかたをすると隣家とのトラブルにつながるため、最大限配慮しながら作業する必要がある場所です。

重機で建物全体を取り壊す

解体工事のイメージが、まさにこの工程でしょう。これがもっとも騒音・振動・粉じんの飛散がある作業なので、作業員は水まきをしながら周辺に最大限の気を配りながら進めていきます。

基礎の撤去・地中埋設物の確認

地面より上の建物がすべてなくなり、基礎の撤去まで済ませたら、地中に埋まっているものがないかどうかの確認を行います。古い井戸や浄化槽ならまだしも、以前の解体工事によるコンクリートガラやゴミなどが埋め立てられている恐れもあるため、しっかり確認しなければいけないところです。

予想外の地中埋設物があると、撤去のための追加費用がかかることも念頭に置いておかなければいけません。

ガラの撤去と整地

構造物の撤去が全部終わったら、地面に散らかった木くずやコンクリートガラを掃除して、きれいに整地を行います。

廃棄物の処理

解体で出た廃材は、すべて細かく分別してそれぞれの処分場に運びます。産業廃棄物が適正に処理されたかどうかは、業者が作成するマニフェストという処理で確認ができるようになっています。

解体工事としての作業は、これで全工程終了です。必要があれば周辺道路の清掃や、近隣への工事完了の挨拶なども行っておきましょう。

解体工事後

建物滅失登記の申請

解体工事の後に事務手続きとして行うべきことがひとつあります。建物滅失登記というものです。登記されている建物を全部取り壊した際に必要な手続きです。

法務局に出向いて必要な書類を提出することで完了しますが、土地家屋調査士などに代行してもらうことも可能です。もちろん別途費用はかかりますが、手間と時間は節約することができます。

まとめ

解体工事の全体の流れを、大まかに追ってみました。解体工事前と解体工事後については、主に施主としてすべきことを、解体工事中については業者が行うことを中心にして解説しましたが、全体像をつかむことはできたでしょうか。

普段あまりなじみのない解体工事ですが、流れを知っておくことで今後費用を安く抑える方法を考えたり、調べたりするなど応用もきかせていけるでしょう。

工事を成功させる一助になれば幸いです。

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