解体工事において、業者選びは大変重要なポイントです。いいかげんな業者を選んでしまったら、工事の成功失敗だけではなく、安全面でも大変危険な事態を起こしてしまう恐れすらあるのです。
安心して解体工事をまかせられるような業者の選び方というものはあるのでしょうか?どこに目を向ければいいのか、コツとポイントをお話していきます。
解体工事の流れ
解体工事を検討したときに、最初に行うことは業者の選定です。インターネットなどで複数社ピックアップしたら、現地調査をお願いして見積を出してもらいましょう。そこから一社に絞り、契約を交わします。
工事前に施主が行うべきこともいくつかあります。まずは近隣挨拶。施主と解体業者がご近所をまわり、工事内容を説明して理解を得ましょう。これがあるのとないのとでは、のちのちのトラブル回避に大きな差が出ます。
それから旧宅の片づけや不用品の処理を行いつつ、ライフラインの停止の手続きを取り、仮住まいへの引越し準備をします。
いざ工事となったら、まずは足場と養生を設置します。解体は内装や外構から始め、建物全体へと移っていきます。基礎の撤去まで終えたら地中埋設物の有無を確認して、コンクリートガラや木片などのごみを清掃し、整地を行って全工程終了です。
解体工事の成功ポイントは業者選び
解体工事の流れを見てみると、工事成功のポイントは「業者選び」にあります。
当然のことではありますが、良い業者に出会うことがもっとも重要なのです。特に解体工事は「安全・安心」が最優先ですから、いいかげんで悪質な業者に工事を依頼することは大変危険であるわけです。
次項ではこの点を踏まえ、良い業者選びのためにはどのようなポイントに着目していけばいいかを詳しく見ていきましょう。
業者の選び方のコツ・ポイント
費用に関しての説明が誠実か
解体工事に限らず、業者選びである意味最優先にしてしまいがちなのが、「費用の安さ」ではないでしょうか。
しかし、安さがすべてではないということは、言うまでもありませんよね。特に解体工事のように危険が隣り合わせの作業に対して、コストの安さばかり求めるのは大変リスクの大きなことです。
そういった意味でも、ホームページで他と比べて安すぎる坪単価を提示していたり見積を出してきたりするような業者は、要注意です。あとになってから高額な追加請求をしてきたり、廃棄物処理をいいかげんに行っていたり(最悪な場合不法投棄もありえます)という可能性があるからです。
これも解体工事に限ったことではありませんが、何事も適正価格というものが存在します。特に解体工事に関しては、安全管理のために法令遵守が最優先で求められ、それに従えばどうしても適正価格を極端に下回るような価格設定は無理なはずなのです。
加えて、費用に関することは全面的に明確にしてくれるような業者を選ぶようにしましょう。見積内容の細かい説明、追加費用についての細かい説明、そういったことを行ってくれる業者はそれだけでも信頼に値します。
追加費用というのは、事前調査ではわからず見積に載せられなかった費用のことです。建物を撤去したあとに発覚した地中埋設物の撤去や、工事が始まってからわかったアスベストの除去などがその例です。こういった追加費用はやむを得ないものですが、もし発生した場合にどのような扱いになるか、という点もしっかり事前に説明してくれるような業者だと、さらに安心ですよね。
書面にしてすべて残してくれるか
口約束ほど、のちのちトラブルのもとになることはありません。ましてや契約書が存在しないなどはありえないことです。打合せした内容、疑問に思ったことなどもすべて書面にしてもらい、契約時には契約書をしっかりと交わしてくれる業者が良いでしょう。
また、前述もしましたが見積書についても「一式」などといった言葉でひとくくりにせず、内訳が細かく記されているようなものが望ましいです。工事内容をはっきりさせ、しっかりと明記したうえで、費用の根拠がはっきりしているような見積書を作ってくれる業者であれば信頼が置けます。
スタッフの対応はきちんとしているか
見積のための現地調査の際には、初めて業者のスタッフと顔を合わせることになるでしょう。きちんとした業者であれば、身だしなみや言葉遣いなどが当たり前にしっかりしているものです。見極めレベルとしては、そこは最低限度のラインといっても過言ではないところです。
連絡がスムーズにつくか、説明は誠実でわかりやすいか、質問したことには明確に答えてくれるか、約束を守るか、といった点も見極めポイントになるでしょう。
スタッフは業者の顔であり、業者の理念や信念を体現している存在です。スタッフ個人を信用できないのであれば、恐らく業者としても信用できないと思って間違いないでしょう。
許可をきちんと保有しているか
解体工事は誰でもできるものではありません。業者としては、建設業法による「建設業許可」、もしくは建設リサイクル法による「解体工事業登録」のどちらかを保有していなければいけないのです。
前者は500万円以上の解体工事も請け負うことができますが、後者は500万円未満の解体工事に限られます。とはいえ、一般的な家屋の解体工事であれば工事費用が500万円を超えることはまずないため、後者さえ保有していればほぼ問題ないといえます。
どちらもない場合は、いわゆる「違法業者」です。このような業者に解体工事を依頼してしまうと、施主にも罰則が科される恐れも出てきます。契約前に必ず、必要な許認可を得ているのかどうかを業者に確認しましょう。
許認可を持つきちんとした業者であれば、求めれば許可証や登録証を提示してくれます。
法令を遵守しているか
これまで違法な行いがなかったどうかという点も、業者選びでは重要なポイントです。過去に行政処分や指名停止などを受けていないかどうかは、都道府県庁の担当部署に直接問合せして確認することができます。
安全・安心がもっとも大切な解体工事において、法令も遵守できないようなレベルの危機管理の業者には大変問題があります。1番基礎的な部分をおろそかにしているといっても過言ではないため、許認可と併せて早い段階から確認しておきましょう。
保険には加入しているか
解体工事現場に限らず、物事には「万が一」がつきものです。ましてや安全・安心が最優先される解体工事において、もしも事故やトラブルが起きてしまったときには責任ある対応が求められます。
だからこそ、解体業者はしかるべき損害賠償保険に加入している必要があります。施主は解体業の許認可を確認する際、保険加入の有無もきちんと確認しておきたいところです。
実績・事例が確認できるか
会社ホームページすらないような、情報が不明瞭な企業は不安ばかりが先立ちますが、ホームページや企業案内などで、これまでの工事実績や事例を確認できれば安心ですよね。
業者選定の最初の段階では、こういった情報もきちんと開示しているような業者をピックアップしたいものです。
まとめ
解体工事の業者選びのコツを7つピックアップしてみました。やはり「信頼」に重きを置くところにポイントがあります。費用が安ければいいというわけではないのがおわかりいただけたでしょうか。
これらのコツを参考に、良い業者を見つけてくださいね!